おでんコラム 具としての昆布について。
おでんを作りながら考えること...。
【おでんコラム その5】
具としての昆布について。
お酒を飲みながらゆっくり自宅でおでん作りを楽しむ冬の趣味。そんな長時間の調理中におでんのことを色々考える訳です。
今回のテーマはおでんの具としての昆布についてです。
具としての昆布。
おでんを作ろうと思ったときに私がまず最初にするのが、鍋に水を張りカット昆布を漬けること。つゆ作りに「おでんの素」を使おうが、「粉末だし」を使おうが、「いちからかつお節」で作ろうが、絶対に昆布だしだけはきっちりと使います。昆布だしの効果は料理が完成した時にやっとわかる!そのようなものですが、やはり旨味に奥深さが出てくれます。化学調味料バリバリのおでんの素でも、昆布だしと合わせれば角が取れた優しい味わいになってくれます。
そんなおでんで使う昆布の出汁の取り方は、とにかく長時間水に漬けておいて、火にかけ、沸騰直前に取り出す。これが一般的な方法です。グツグツ沸騰させてしまうと、昆布のえぐみやヌメリなどが出てきてしまう。そういう理由で、昆布を取り出すのは「沸騰前」というのがセオリーです。
そんな作業をしながら毎回思うこと。おでんに入っている「具としての昆布」。これって入れていいの?えぐみ・ヌメリは?出汁としての昆布は、律儀に昆布を沸騰直前に取り出したりしてるんですけど...。おでんは沸騰させない温度で煮込むことを忠実に実行している作り方では大丈夫ってことのような気がしますが、え~。大概自宅で作るおでんは沸騰させちゃうでしょう。おでんに昆布を具として入れるなら、正しい昆布だしの取り方なんて、何なんだ!?ってなっちゃいます。
逆に。レシピのセオリーを無視し、出汁として使う昆布をガンガン沸騰させてヌメリ・えぐみを存分に放出したものは本当にまずいのか?そんなことが気になったりもします。以前テレビで、人気「かつ丼」店の出汁の取り方をピックアップする番組を見ました。それが驚き!昆布をガンガン長時間煮たてて作っていました。昆布の旨味を思いっきり利用したような出汁でした。そこで感じたことは、「昆布の利用の仕方」は料理によって...。かもしれない。かつ丼のような料理なら、えぐみやヌメリを気にするよりも、旨味を重視する!というのも。なるほどアリのような。上品に仕上げたい和風だしの場合はナシのような。このように考えると、昆布を沸騰直前に取り出す工程は、「必ずしもではない」かもしれません。
ヤバい!昆布を煮立たせてみたくなった!
こんなことを考えながら今日も家庭おでん作りを楽しみました。