おでんコラム 薄いときについて。
おでんを作りながら考えること...。
【おでんコラム その10】
薄いときについて。
お酒を飲みながらゆっくり自宅でおでん作りを楽しむ冬の趣味。そんな長時間の調理中におでんのことを色々考える訳です。
今回のテーマは薄いときについてです。
薄いとき。
おでんの味付けはマジでむずい。塩分濃度...。入れる具材の量をキッチリと定量制にしないと具材から出る水分量の違いでまちまちになる...。お店ならしっかり計算されて調理している訳ですが、家庭でつくるおでんとなれば、入れる具材の量なんてバラバラ。更に火にかける時間も長めだから味の見通しも難しい。そういうのも含め、家庭おでんの醍醐味だったりする訳ですが、やはりしょっぱさのブレはきになるところ。
そんな理由から、どうしてもびびって薄めに作りがち。塩からくなるよりもましだから。たださすがに今回は薄すぎるよな~ってとき。ミートソースなどのソース類やカレーなどは、薄ければ何かしらの塩分の入った調味料を加えて調整できるが、おでんは具材単体を楽しむ料理。その 具材に薄いつゆがもう染み込んじゃっている...。 味の調整が難しい訳です。
薄いときの対処法。
●具に直で味噌を付けて食べる。
味わいは味噌おでんになっちゃうけど、どうしても薄く仕上がってしまったときの対処法なので、それはそれでいい。からしチューブを味噌に混ぜ込めばさらに美味しい。うすい仕上がりといっても、だしの風味はしっかりあるので、塩味を少し添えるだけでしっかり美味しいおでんになる。実際、北海道や東北地方のおでんは昆布だしだけで仕上げ、みそだれを付けて食す傾向があるようだ。それを考えるとこの対処法は正解だろう。未知のおでんの魅力も楽しめる。
●白だしや麺つゆにつけて食べる。
付けて食べるというより、取り皿に薄くたらし、その皿に具を取っていただく。味わいは浅いものになるが、上にも記したように出汁の風味を含んだ具材なので、塩分調整対策になり自然に美味しい。塩や醤油で無理矢理付けた塩味ではなく出汁が加わった調味料だから馴染みもいい。関東風に仕上げた味付けなら麺つゆ、関西風に仕上げた味付けなら白だしを、といったところか。
おでんが薄いときの対処法としては、本鍋のスープをどうのこうのというより、薄く仕上がった具材単体に、別に塩味を加えて食べるのが妥当の様な気がする。無理にスープを濃くしても、仕上がった具材には響かない...という訳だ。手間暇かけた結果「味薄いな~」は気持ちは下がるが、しっかりと旨味は付いているので、失敗ではない。 具にちょっと塩分を付ければ格段に味わい深いものになってくれる。色々な「後から調味料」を楽しめるおでんになったりもする。おでんの遊び方は本当に自由だ...。
こんなことを考えながら今日も家庭おでん作りを楽しみました。